はじめに
企業看護師に転職してよかったと思う一方で、最初は戸惑うこともたくさんありました。
仕事内容はもちろん、パソコン操作やメール文化、ビジネスマナーなど、病棟勤務ではあまり経験しなかったことに苦労したのを覚えています。
今回は、病棟18年を経て企業看護師になった私が、転職して最初に苦労した5つのことをご紹介します。
これから企業看護師を目指す方の参考になれば嬉しいです。
① Excelに苦労した
転職して最初に一番苦労したのは、実はExcelでした。
病院勤務時代にも評価シートなどをExcelで入力することはありました。
でも正直に言うと、私はExcelがとても苦手でした。
改行の仕方すらわからず、無理やり1行で入力していたこともあります。
病院ではExcelを日常的に使う機会はそれほど多くありません。
ましてや関数や集計作業となると、「自分には無理」と思っていました。
ところが企業に転職してみると、求められるのはWordよりもExcelでした。
健康診断データの管理や集計、統計処理、ピボットテーブルの活用。
企画書を作成するときもExcelで表を作成して提出することがありました。
さらに、インフルエンザや新型コロナウイルスの感染者数を月ごと・事業部ごとに集計し、割合を算出して安全衛生委員会で報告することもあります。
最初は本当に吐きそうでした。
「私、企業看護師になれたけど、この先やっていけるのかな」
と不安になることもありました。
そこで私はExcelの本を購入し、一から勉強を始めました。
今でも得意とは言えません。
それでも、必要に迫られて少しずつ覚えていくうちに、仕事で困らない程度には使えるようになりました。
もし今、Excelが苦手だから企業看護師は無理かもしれないと思っている方がいたら、大丈夫です。
私も改行の仕方がわからないところからのスタートでした(笑)。
② PowerPointで資料を作るのに戸惑った
PowerPointも最初は不安でした。
病院時代に看護研究や学会発表で使用した経験はありましたが、毎年使っていたわけではありません。
数年に一度、チームで発表資料を作成する程度でした。
そのため、企業に転職したあとに資料作成を求められたときは少し身構えました。
「きっとすごい資料を作らなければいけないんだろうな」
と思っていたからです。
でも実際は違いました。
会社にはテンプレートが用意されていて、そのフォーマットに沿って資料を作成することがほとんどでした。
私の場合も、
・伝えたい内容を整理する
・Excelで作成したグラフを貼り付ける
・箇条書きでわかりやすくまとめる
という形が中心です。
正直に言うと、今でも凝ったデザインの資料は作れません(笑)。
でも、多くの報告がある中での一つの発表です。
それよりも大切なのは、見た目の美しさより「何を伝えたいのか」が相手に伝わることだと感じています。
わからない部分は上司に相談しながら進めていますし、それで十分仕事になっています。
PowerPointが苦手だからといって、企業看護師を諦める必要はないと思います。
③ メール文化に慣れなかった
企業に転職して驚いたのは、メールの多さでした。
病院勤務時代は、申し送りや口頭での報告が中心で、メールを作成する機会はほとんどありませんでした。
そのため、ビジネスメールなんて書いたことがありません。
最初の頃は、送られてきたメールを見ながら見よう見まねで作成していました。
今もし当時のメールを読み返したら、恥ずかしくて見ていられないと思います(笑)。
そもそも、
・CCとBCCの違い
・CCを入れる意味
・署名の設定
・添付ファイルの送り方
などもよくわかっていませんでした。
特に社外へ送るメールは緊張してしまい、1通作るのに30分以上かかることもありました。
「この書き方で失礼じゃないかな」
「敬語は合っているかな」
と何度も読み返していたのを覚えています。
ただ、不思議なもので続けていると少しずつ慣れていきます。
最近ではAIを活用してメール文を作成することも増え、仕事の効率はかなり良くなりました。
それでも、最初に悩みながらメールを書いた経験は無駄ではなかったと思っています。
企業看護師を目指している方も、最初から完璧なビジネスメールが書けなくても大丈夫です。
私も見よう見まねからのスタートでした。
④ ビジネスマナーを1から学んだ
実は、転職して一番衝撃を受けたのはビジネスマナーだったかもしれません。
私は病院で18年間働いてきました。
そのため転職前は、
「社会人経験は十分あるし、何とかなるだろう」
と思っていました。
ところが、入社してすぐに自分の考えが甘かったことに気づきます。
私が入社したのは4月の中旬。
すでに新入社員が入社していて研修を受けていました。
その姿を見て驚いたのです。
みんな敬語や電話応対、メールの書き方など、基本的なビジネスマナーをしっかり身につけていました。
一方の私はというと、患者さんへの対応は慣れていても、企業で求められるマナーはほとんど知りませんでした。
電話応対。
メール。
挨拶。
服装。
有給休暇のルール。
欠勤するときの連絡方法。
知らないことばかりです。
気づけば40歳を過ぎてから、新入社員向けのビジネスマナーサイトを見ながら勉強していました。
正直、新入社員よりわかっていなかったと思います(笑)。
病院での経験はもちろん大切です。
でも企業へ転職すると、病院とはまったく違う文化があります。
最初は戸惑いましたが、一つずつ覚えていけば大丈夫でした。
今ではあの時の経験も、新しい環境へ飛び込んだからこそ学べた大切な財産だと思っています。
⑤ 前例がなく、自分で考えなければならなかった
企業看護師になって感じたのは、「正解がすぐ見つからない仕事が多い」ということでした。
私の事業部にも保健師はいますが、入社当初から保健室の企画・運営は私が担当することになっていました。
その保健師さんも転職して間もない時期だったため、ケガの対応や保健室運営については、自分で考えながら進める場面が多くありました。
例えば、ケガをした従業員が保健室へ来たとき。
病院を受診した方が良いのか。
様子を見ても良いのか。
労災として扱うのか。
判断に迷うことも少なくありません。
病棟勤務時代であれば、近くの先輩や医師にすぐ相談できました。
でも企業では、まず自分で考え、必要に応じて保健師さんや産業医へ相談します。
さらに私の場合、保健室の立ち上げにも関わりました。
社内で保健室の場所を探すところから始まり、備品の準備や運用方法の検討など、一つひとつ手探りで進めていきました。
驚いたのは、保健室を作るための企画書を作成し、会社の上層部へ説明して許可をもらうところから始まったことです。
「こんなことまで看護師がするんだ!」
と本当に驚きました。
最初は不安もありましたが、その経験を通して「自分で考え、周囲を巻き込みながら進める力」が身についたように思います。
大変なこともありますが、その分、自分自身の成長を実感できる仕事でもあります。
それでも少しずつ慣れていけた
振り返ると、転職当初はわからないことだらけでした。
Excel。
PowerPoint。
メール。
ビジネスマナー。
保健室運営。
病棟勤務では経験しなかったことばかりです。
正直、「全部自分で進めなきゃダメなんだ!」と驚くことの連続でした。
それでも続けてこられたのは、完璧を目指さなかったからだと思います。
わからないことは調べる。
一人で判断できないことは相談する。
まずはやってみる。
その繰り返しでした。
今でも得意とは言えないことはたくさんあります。
それでも、転職当初の自分と比べると確実にできることは増えました。
企業看護師への転職を考えている方も、最初からすべてできる必要はありません。
私も改行の仕方がわからないところからのスタートでした(笑)。
少しずつ学んでいけば大丈夫です。
まとめ
病棟看護師から企業看護師へ転職して、私が最初に苦労したことをご紹介しました。
Excel。
PowerPoint。
メール。
ビジネスマナー。
そして、自分で考えながら保健室を運営していくこと。
病棟勤務では経験しなかったことばかりで、正直「全部自分で進めなきゃダメなんだ!」と驚きの連続でした。
でも振り返ってみると、どれも少しずつ慣れていったことばかりです。
今でも得意ではないことはありますが、困ったら調べる、相談する、まずやってみるという姿勢で続けてきました。
企業看護師に興味はあるけれど、「自分にできるかな」と不安に思っている方もいるかもしれません。
でも大丈夫です。
私も改行の仕方がわからないところからのスタートでした(笑)。
病棟で培った経験は、企業でも必ず力になります。
完璧な準備ができていなくても、一歩踏み出せば少しずつ成長していけると思います。
オフィスの保健室より ☕
企業看護師になると、医療行為を行う機会はほとんどありません。
それでも、病棟で積み重ねてきた経験が無駄になることはありませんでした。
むしろ、患者さんやご家族と向き合ってきた経験、人の話を聞き寄り添ってきた経験は、今の仕事にもつながっています。
そして何より、この年齢で企業へ転職したからこそ経験できたことがたくさんあります。
ビジネスマナーを学び、病院以外の世界を知り、自分の視野が大きく広がりました。
転職には不安もあります。
でも、一歩踏み出した先には、今まで知らなかった新しい世界が待っているかもしれません。
このブログが、企業看護師という働き方に興味を持つ誰かの小さな保健室になれたら嬉しいです。



