「企業看護師の面接では、どんなことを聞かれるんだろう?」
私も転職活動を始めた頃は、面接で何を聞かれるのか分からず、とても不安でした。病棟看護師として16年間勤務した後、企業看護師へ転職した私が実際に受けた面接では、看護技術よりも「これまでの経験」や「企業でどのように働きたいか」といった考え方を質問されることが多かったです。
この記事では、私が実際の面接で聞かれた質問と、そのときどのように答えたのかをご紹介します。
企業看護師は自分には無理かもしれない…と感じている方に、「私もそうだった」と伝えられる記事になれば嬉しいです。
面接で実際に聞かれた質問
① 志望動機を教えてください
病棟では16年間、さまざまな患者さんと関わってきました。
病院には病気になってから治療を受けに来る方がほとんどです。その中には原因がはっきりしない病気もありますが、食生活の乱れや運動不足、喫煙や飲酒など、生活習慣が大きく影響している病気の方も多くいらっしゃいました。
そうした患者さんと関わる中で、「病気になってから看護することも大切だけれど、病気になる前に関わることはできないだろうか」と考えるようになりました。もともと健康づくりや予防に興味があり、自分自身も健康管理を意識して生活しています。そのため、治療だけではなく、未病の段階から健康を支える仕事に携わりたいという思いが強くなりました。
そこで出会ったのが企業看護師という働き方です。
これまで病棟で培ってきた知識や経験を生かしながら、社員の健康づくりや病気の予防に関われることに魅力を感じ、企業看護師を志望しました。
② なぜ病院を辞めようと思ったのですか?
病院での仕事にも大きなやりがいを感じていました。
しかし、病気になってから治療するだけではなく、病気になる前から健康づくりに関われる仕事がしたいという思いが強くなり、企業看護師という働き方に興味を持ちました。
③ 今までどんな部署で働いてきましたか?
外科急性期病棟、救急外来、HCU、緩和ケア病棟などで勤務してきました。
特に救急外来や緩和ケア病棟では、患者さんだけでなく、ご家族の思いに寄り添いながら支援する大切さを学びました。
④ 看護師として大切にしていることは?
患者さんやご家族の思いを大切にし、その方が何に困り、何を望んでいるのかを考えながら看護することを心掛けてきました。
また、治療が長く続く患者さんには、「困ったことがあれば何でも相談できる存在」でありたいという思いで関わっていました。
⑤ チームリーダーの経験はありますか?
あります。
正直、リーダー役は得意ではありませんでしたが、後輩・先輩に関係なくチームワークを大切にし、調整役として関わることを意識していました。
リーダーを経験したことで、多くの立場から物事を考える視点が身につき、自分自身の成長にもつながったと感じています。
⑥ 委員会活動について教えてください
看護基準委員会とマニュアル委員会を経験しました。
看護基準委員会では、看護技術を最新の知識に合わせて見直し、現場で安全に実践できるよう内容をアップデートしていました。また、マニュアル委員会では、スタッフ全員が理解しやすいように表現を工夫し、技術やルールを周知する役割も担当しました。
この経験を通して、新しい知識を学ぶだけでなく、「どう伝えれば相手に分かりやすく伝わるか」を考える力が身についたと感じています。
実は、この質問はあまり想定していなかったため、面接では少し考え込みながら答えました。
振り返ってみると、病院での経験を「企業でどう生かせるか」という視点で整理しておけば、もっと自信を持って伝えられたと思います。
これから企業看護師の面接を受ける方は、「これまでの経験が企業でどう役立つのか」を一度考えておくことをおすすめします。
⑦ メンタルヘルスへの対応経験はありますか?
精神科での勤務経験はありませんが、緩和ケア病棟と救急外来で多くの患者さんやご家族と関わってきました。
特に緩和ケア病棟では、ご家族のケアが中心となることも多く、じっくりお話を伺い、希望や思いを確認しながら関わることを大切にしていました。
ご家族に「ありがとう」と言っていただけた時は、とてもやりがいを感じました。
⑧ パソコン操作はできますか?
カルテ入力など、病院で必要なパソコン操作は問題ありませんでしたが、ExcelやPowerPointはほとんど使った経験がなく、正直苦手な分野でした。
そのため、面接では「得意ではありませんが、入社後にしっかり勉強して身につけたいと考えています」と率直にお伝えしました。
実際に入社後は、本や動画を活用しながら少しずつ学び、現在では健康診断データの集計や資料作成など、日常業務で活用しています。
パソコンが苦手だからといって企業看護師を諦める必要はありません。学ぶ姿勢があれば、少しずつできるようになると実感しています。
⑨ 一人で判断する場面もありますが大丈夫ですか?
救急外来やHCUでは、急変時の初期対応や応急処置について多くの経験を積んできました。そのため、緊急時に落ち着いて状況を判断し、初期対応を行う力は身についていると思っています。
一方で、企業看護師は一人で対応する場面も多いため、「分からないことを一人で判断しないこと」も大切だと考えています。
不安に感じた場合は、産業医や医療機関へ相談したり、最新の情報を確認したりしながら、安全を第一に対応していきたいとお伝えしました。
病院で培った判断力を生かしながらも、必要なときには周囲と連携し、適切な判断ができる企業看護師を目指したいと考えています。
⑩ あなたの強みは何ですか?
私の強みは、協調性があることだと思っています。
病院では看護師同士だけではなく、医師や薬剤師、リハビリスタッフなど、多くの職種と連携しながら患者さんを支えてきました。一人で看護をするのではなく、チーム全体でより良い医療を提供することを常に意識していました。
そのため、相手の立場を考えながらコミュニケーションを取り、必要な情報を共有し、調整役として関わることが得意です。
企業で働くのは初めてになりますが、病院で培ったコミュニケーション力や連携する力を生かし、人事や管理職、産業医などさまざまな職種と協力しながら、社員の健康づくりに貢献していきたいと考えています。
⑪ 最後に質問はありますか?(逆質問)
面接官の中には保健師さんがいらっしゃいました。
実は、面接前に会社見学をさせていただき、その際に産業保健活動について説明を受けていました。病院勤務だった私は産業保健についてほとんど知識がなかったため、事前に自分なりに調べた上で、現在取り組んでいる産業保健活動の進捗や、従業員の反応について質問しました。
また、「企業看護師に期待していることはありますか?」ともお聞きしました。
すると、「当社では看護師を採用するのが初めてなので、実は何をお願いできるのか、まだ手探りなんです」と率直に話してくださいました。
そのうえで、「まずは保健室を設置し、社員の健康管理や体調不良時の対応をお願いしたい」と説明を受けました。
当時は少し驚きましたが、今振り返ると、とても正直で誠実な会社だったのだと思います。
企業によって企業看護師に期待する役割は異なるため、逆質問では仕事内容や期待される役割を確認しておくことが大切だと感じました。
面接を終えて感じたこと
面接では、事前に準備していた内容を答えられた質問もありましたが、緊張で頭が真っ白になってしまい、しどろもどろになった場面もありました。
面接が終わった後は、「これは絶対に落ちた…」と思ったくらいです。
病院の面接では、看護部長や人事担当者と比較的リラックスした雰囲気で話すことが多かったため、企業の面接との違いにとても驚きました。
私の場合は面接が2回ありました。1回目は、応募した拠点へ行き、オンラインで本社の保健師さんと課長さん2名につないで面接を受けました。私の目の前には人事担当者だけがいるという、少し不思議な形式でした。
2回目は、本社の保健師さん、人事部長、統括部長とのオンライン面接でした。
オンライン面接自体が初めてだったため、「誰を見て話せばいいんだろう?」と戸惑ったことを今でも覚えています。
面接後、採用担当者の方から「今回は一人で保健室を任せることを想定していたため、臨床経験が豊富な方を求めていました」とお聞きしました。そのお言葉を聞いて、「やっぱり無理だったかな」と思ったことを覚えています。実は面接中も、「企業看護師なんて自分には無理かもしれない」という気持ちがずっとあったのです。
それでもご縁をいただき、今では企業看護師として働いています。
今振り返ると、完璧に話せたことが評価されたのではなく、これまでの経験や、「病気を予防する仕事がしたい」という思いが、自分の言葉で伝わったことが評価されたのではないかと感じています。
まとめ
企業看護師の面接では、特別な答えを用意する必要はありません。
大切なのは、自分が病棟で経験してきたことや、企業でどのような看護がしたいのかを、自分の言葉で伝えることです。
私自身、「企業看護師なんて自分には無理」と思っていました。
面接も決して完璧ではありませんでしたし、終わった後は「落ちた」と本気で思っていました。
それでも、一歩踏み出したことで、今では企業看護師として働いています。
もし今、「私には無理かもしれない」と不安を感じている方がいたら、どうか挑戦する前から諦めないでください。
この記事が、あなたの背中をそっと押すきっかけになれば嬉しいです。
オフィスの保健室より☕
「私には無理かもしれない」と思っていた私だからこそ、伝えられることがあります。
この記事が、あなたの一歩を踏み出すきっかけになれば嬉しいです。




